月に数回、私はモスバーガーをいただきます。ちょっとした自分へのご褒美。黒毛和牛の季節限定版などスペシャル大好きです。お店のスタッフさんも「いつもありがとうございます」って丁寧です。忙しい日々の中でホッとできる瞬間です。ある日、その何気ない話を彼女、コバトンにしたときのこと。
「実は私、バーガーが大好きなの!」
その一言とともに、彼女の雰囲気がガラッと変わりました。ついさっきまで落ち着いたお嬢様然とした態度だったのに、急に熱く語り始めたのです。2015年頃に青山にオープンしたアメリカの新しいバーガーチェーンの話や、そこのポテトの絶品さ、そしてアメリカでの人気ぶりまで、一気にまくし立てる彼女。
途中で「でもね、モスならライスバーガーが一番!」と笑顔で話題を変えたのも彼女らしいと思いました。
バーガーと聞くとパンを想像しがちですが、彼女のお気に入りはご飯で挟むモスのライスバーガー。特に「焼肉ライスバーガー」の香ばしさや、もちもちとした食感がたまらないらしいのです!
「あれ、ちゃんとお米が美味しいから成立するのよね!」なんて、目を輝かせて話す彼女の姿が印象的でした。
そんな彼女を見て、「次に会ったときには何かよろこんでもらいたいな」と思いました。ちょうど家に使っていないモスカードがあったので、それを渡そうと決めました。
「これ、よかったら使って。」
そんな一言で、彼女がどんなふうによろこぶか想像してみるだけで心が温かくなりました。しかし、そのモスカードを渡す日は訪れませんでした。彼女は突然姿を消してしまったから。
あれから月日が経つけれど、モスバーガーに行く度に彼女を思い出す。あの無邪気に語る姿、照れた笑顔、そしてハンバーガーへの情熱。特にライスバーガーを熱く語っていたときの声のトーンが、今でも耳に残っている。
もし、いつかまた彼女に会えたら、その時は一緒にハンバーガーを食べながら、あの日の続きを話そう。きっと彼女は相変わらず、楽しそうにバーガーの話をしてくれるに違いない。
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